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【前半】都内23区の単身向け賃貸事情|なぜ家賃はここまで上がったのか

time 2026/03/19

【前半】都内23区の単身向け賃貸事情|なぜ家賃はここまで上がったのか

「急に東京へ引っ越すことになったけど、家賃が高すぎる…」
「同じ条件なのに、数年前より明らかに高くないか?」

地方から急遽上京を考えている20代〜30代の社会人の方から、こうしたご相談を受けることがここ数年で一気に増えました。

私自身、30年以上都内で賃貸仲介をしてきましたが、正直に言って今の東京の賃貸市場は“過去とは別物”です。特に単身向けの物件は、人気エリアでは「探す」ではなく「奪い合う」状況になっています。

この記事では、都内23区の単身向け賃貸事情を、現場で感じているリアルな視点からわかりやすく解説していきます。
「なぜ家賃が上がっているのか?」そして「今どう動くべきか?」が見えてくるはずです。

都内23区の単身向け賃貸は“完全に売り手市場”

まず結論からお伝えすると、現在の東京の賃貸市場は完全に「貸す側(オーナー)が強い市場」です。

特にワンルームや1K、1LDKといった単身向け物件は、空室が出た瞬間に埋まるケースが珍しくありません。

例えば、港区や中央区、渋谷区などの人気エリアでは、
「午前中に掲載された物件に、夕方には申し込みが入る」
ということが日常的に起きています。

これは飲食店で例えるなら、行列のできる人気ラーメン店のような状態です。
席(=物件数)が限られているのに、お客さん(=借りたい人)がどんどん来る。
当然、値段(=家賃)は下がるどころか上がっていきます。

虎ノ門・港区エリアに見る“今の東京”の象徴

特に分かりやすい例が港区・虎ノ門エリアです。

虎ノ門ヒルズ周辺の単身向け賃貸事情

・築浅でハイグレードなマンションが次々と供給されている
・都内でもトップクラスに賃料が高いエリア
・外資系企業・IT企業の進出で高所得者層が集中
・円安の影響で海外駐在員の需要も増加
・空室が出てもすぐに埋まるため募集数自体が少ない
・SUUMOやHOME’Sに掲載されても“掲載=検討期間”ではない

実際に私の経験でも、虎ノ門エリアの1K(25㎡前後)が月額15万円以上でも、即日で申し込みが入るケースは珍しくありません。

一昔前であれば「高すぎる」と言われた価格帯ですが、今ではそれが“相場”になっています。

なぜここまで家賃が上がっているのか?【7つの理由】

では本題です。なぜここまで家賃が上昇しているのか。
現場感覚と市場データを踏まえて、7つに整理して解説します。

① 供給不足(物件が足りない)

現在の東京は「そもそも空いている部屋が少ない」状態です。

・新築マンションの供給はあるが、需要に追いついていない
・特に都心部は土地が限られており、開発余地が少ない
・人気エリアは退去してもすぐ埋まる

つまり、物件が“回らない”のです。

以前は「退去→募集→内見→契約」とある程度の時間がありましたが、今は「退去予定→即申し込み」という流れも多く、実質的に市場に出回る物件数が減っています。

② 都市部への人口集中

若い世代を中心に、東京への人口流入は続いています。

特に単身者の場合、

・通勤の利便性
・仕事の選択肢の多さ
・生活インフラの充実

こういった理由から「多少高くても都心に住みたい」というニーズが非常に強いです。

例えば地方で車通勤していた方が、東京に来ると「電車で30分以内に会社に行きたい」と考えるケースが多く、その結果、都心部の需要がさらに集中します。

③ 売買価格の高騰による“賃貸シフト”

ここ数年で都内のマンション価格は大きく上昇しました。

その影響で、

「本当は買いたかったけど、高くて買えない」
→「とりあえず賃貸に住む」

という人が増えています。

つまり、本来“購入層”だった人たちが賃貸市場に流れてきているわけです。
これが需要をさらに押し上げ、家賃上昇につながっています。

④ 建築費・管理費の上昇

これは業界の裏側ですが、かなり大きな要因です。

・建築資材の高騰(木材・鉄・コンクリートなど)
・人件費の上昇(職人不足)
・管理コストの増加(人件費・設備維持費)

新築マンションを建てるコストが上がれば、その分は当然家賃に反映されます。

例えば、同じグレードのマンションでも
「5年前なら家賃10万円」→「今は12〜13万円」
ということは普通に起きています。